入院前の体験記     退院後の話


入院から退院までの体験談

1月5日
入院当日。今日は9時半までに病院着だったのですが、ギリギリに到着。
先生から診察を受けたあと入院の手続きをして病室へ移動しました。
二人部屋を希望していたのですが、やはり年始ともあって空いていたようです。
というか、この日は病室には私しかいませんでした。
特にすることも無く、私服のままでベッドの上でダラダラしてたら
それから今度は麻酔科の先生のお話を受けました。
手術は小さい時に2回ほどしてますが、どれも部分麻酔だったので初の全身麻酔。
知り合いとかに聞くと「筋肉注射を3本も打たれた!」とか聞いていたので
どんなもんかと思ってたら、点滴だけでOKとのお話でした。ちょっとほっとした。
麻酔が効いた後に呼吸用のチューブを入れて、そこから麻酔ガスも流すそうです。
手術終了後、手術室で目を覚ました後にチューブを抜くから少しむせるとか、
色々説明を受けました。
私の病室は耳鼻科と眼科が一緒階なので、耳鼻科の病棟長(?)さんがご挨拶に。
夕方に先生がやってきて、手術の詳しい話を受けました。
手術は2時間ぐらいかかるとの事でした。
基本的に全身麻酔なので、「寝て起きたら終わってるよ」と言われましたが
なにせ全身麻酔なんてしたことがないので・・・(笑)
術後の話も聞きました。たまに顔面麻痺になる人がいるとの事でした。
顔には3本の顔面神経が走っていて、喉と顔の境目辺りを切るので
手術中にそのうちの1本の神経に触ってしまったりすると麻痺するそうです。
「でもなったとしても半年ぐらいでほとんどの人は治るから大丈夫だよ」と言われました。
傷は縫うか、最近できた傷用ボンドみたいのでくっつけるか、どうするかと聞かれましたが
まだできたての薬を使うのは怖かったので縫ってもらうことにしました。
あとは、出血が酷かった場合は別の場所を切って、
そこから血を抜くチューブを入れる可能性があるというお話でした。
「女の子だし、なるべく入れないようにしますので」と先生はおっしゃってくれました。
不安が顔に出ていたのか、先生に何度も「大丈夫ですか?」と聞かれてしまった・・・
「手術に関わる先生は皆中堅ですから大丈夫ですよ!」と何度も笑顔で励まされましたね。
その日は親も一緒でしたが、20時が面会終了時間なので、見送りとともにお風呂へ。
前日はドキドキしすぎて眠れなかったので、睡眠導入剤を貰って21時の消灯時間に寝ました。

1月6日
眠剤パワー恐るべしです。即効寝れました。グッスリです。
いよいよ手術当日です。さすが病院ですね、起床6時半ですよ?
手術は14時からです。何をしてろと言うのでしょうか・・・待ち時間が辛いです。
この日は禁食禁飲のため、朝から先生がやってきて点滴の針を入れていきました。
左手首の太い血管にブスッ!っと。(←この点滴の針刺しっぱなし生活は痕が残ります)
当分の間刺しっぱなしのようなので、しばらくは点滴の針付きで生活です。
お昼ぐらいから親が来ました。そして手術着を渡されてとりあえず着替えをする。
点滴がジャマでした・・・<着替え
あとはもう手術のお呼びがかかるまでドッキドキです。時間の流れが凄い遅かった気がする。
そしてついに14時、その時間になりました。
看護婦さんが患者さんを運ぶ台とともにやってきました・・・
それに乗っけられてガラガラガラガラと移動。
そしてついに手術室へ・・・
テキパキと手術の準備が進められていきました。
腕と指に血圧の機械を付けられたり、心拍チェックの装置を付けられたり、
あったかい毛布を掛けられたり動かないように足を緩くベルトで押さえたり。
そして点滴の管に麻酔の薬が入り、酸素のマスクを近づけられる。
「こんなんで本当に寝るの・・・?」って思いましたよ(笑)
「先生!絹さんが全然寝ないから手術ができません!!」とかなったらどうしようとか
そんなことを考えてたら、気づいたら病室でした。
手術は速く終わって、1時間半程で帰ってきたそうです。
手術室で目を覚ましたはずですが、ほとんど記憶が無いです。
断片的にそういう記憶があるようなないような・・・そんな感じですね。
病室では2時間ほど麻酔から早く覚ますために鼻から酸素の管をつけていたみたいです。
さらに出血もひどくなかったので、首にチューブは入ってませんでした。
起こされてもすぐ寝ちゃうからあんまり覚えてないんですが、
先生が取った顎下腺を2回ほど持ってきたんですが、よく分からなかったです。
「焦点が合わないので見えません」とわけの分からないことを言ってたのは覚えてるけど。
ぼ〜っとしてるからホントに見えないんですよ!
1.5センチぐらいの白いものがあって、それが腫瘍だということは分かりました。
でも麻酔が完全に覚めてなかったからうっつらうっつらしてましたねー。
意識がハッキリしてきたのは夕方過ぎぐらいだったような気がします。
ほとんどずっと寝てました。
19時になってから水を飲んでもOKといわれて飲んだ30秒後・・・吐きました・・・
それからほぼ1時間に1回吐くという状態に陥ってしまいました。
20時に面会が終了するのですが、この日ほど心細い日は無かったです。

1月7日
夜中からずっと吐きっぱなしでした。一生分吐いた気もします。
原因は不明ですが、多分20回以上は吐いてます。
もう1時間に1回、酷いと30分に1回という勢いでナースコールしまくり。
ずっと気分が悪くて・・・というのではなく、突然やってくる感じでした。
こんな調子だったので全然眠れなくて、眠剤を貰って飲んだけど
飲んだ後すぐ吐いてしまって眠剤が・・・(涙)
朝の診察を受けて、20メートルぐらいの廊下を歩いてる最中にもトイレで吐いたり。
一応御飯は食べれるのでおかゆが出てきたんですが、食べれるはずもなく・・・
吐き気を止める薬を貰ったりもしたけど効かず、夕方まで吐き続けてました・・・
普通はこんなに吐かないそうなんですけどね。
昔手術した時、麻酔が切れた時の痛みが凄かった思い出があるのですが
傷のほうは全く痛く無かったです。これが唯一の救い(笑)
とりあえず夕飯が来た時には吐かなくなってきたのでちょっとずつ食べました。
夜も眠剤を飲んでバッタリと熟睡。大変な一日でした。

1月8日
この日は朝ごはんからバッチリと食べれるようになりました。
おかゆだったけど、親が持ってきてくれた鮭フレークを入れたらおいしくて
おかゆだけは完食しました(笑)
当然食べ過ぎてお昼ごはんが食べれなかったのは内緒です。
この日に会社の方に手術が無事終わったというメールを出したんですが
なぜか「8日後に退院予定です」というのが「8日に退院予定です」と間違った解釈をされ
「大変だ!今日退院じゃないか!!お見舞い急げ!!」ということになったみたいで
チームの皆さんがお見舞いに来てくださいました!!
ブタさんのぬいぐるみとか、お花とかお菓子とか、本当に嬉しかったですっ
談話室というのがあるのですが、大人数だったのでほぼ占拠してしまい
患者さんがビビって近寄れなかったりしてました(笑)
この日に母親にGBAのアダプターを持ってきてもらったので
入院前に貸していただいた逆転裁判を始めました。
ハマりましたよ!おもしろい!!この日から逆転裁判な日が始まりました(笑)

1月9日
今日から半身浴の許可が下りました。
しかし、私は入浴よりも髪の毛を洗いたいんです先生!!!!
看護婦さんからその話を聞いてたら、「背中拭いてあげるよ」と言ってくれたので
お言葉に甘えて拭いて頂きました。あったかいタオルで気持ちよかったなあ。
髪の毛は一応水のいらないシャンプーなるもので拭いてみたけどダメダメでした。
むしろ余計にベタベタしたような・・・(汗)
この日は会社の乙女組みと某N社のN様と、二組のお見舞いありがとうございました!

1月10日
ずっと微熱続きなんですが、入院した日から微熱だったのでそう思われて無い様子。
朝の診察で「んー、抜糸は13日、退院は14日だと思っててください」と。
ってアレ!? 退院が1日延びていますが気のせいでしょうか!?
退院が延びたら連絡をくださいと会社から言われてたのに、土曜日だし。
さらにいつもガーゼを貼ってもらって傷を隠していたのですが取られました。
縫った所は透明な滅菌シールみたいのをペタっと貼っているだけなので
縫った所が見えてしまうわけなのです。
黒い糸で縫ってあるのが丸見えなのでガーゼで隠していたかったんですけどね(涙)
この日は看護婦さんが「午後から頭を洗ってあげる」とまたステキなお言葉を!!
またもやお言葉に甘えて洗っていただきました。
美容院で使ってる椅子みたいのがあって、それで洗って頂いたのですが
椅子を倒す時が一番怖かったですね・・・
この日もまた2名ほどお見舞いありがとうございました!!
夕方に点滴の針を抜きました。5日間生活を共にした点滴の針さんお疲れ様。
明日からは投薬生活が始まります。

1月11日
今日も微熱です。
まだ口が大きく開かず、御飯を食べるペースが凄い遅いです。
御飯は夕飯だけ母親がデパートで買ってきたおいしいものを食べてます。
コッソリとですけどね!
この日は前に借りた「鋼の錬金術師」を一気に読破しました(笑)
後はまた逆転裁判へ。絵も描いてないしiPODも聞いてないなあ。
この日もまた会社の方がお見舞いに来てくださいました。
休日だというのに出勤されていたそうで、お疲れ様です&ありがとうございました。

1月12日
朝の診察で「明日抜糸したら退院しても良いよ〜」と言われたので
親に電話して聞いてみたら「よし、明日帰るぞ!!」と(笑)
会社に退院延長の電話をしなくて済んだのでちょっとラッキー。
しかしまだ喜べません、今までの経験上一番痛いのは抜糸です・・・
場所が場所だけに想像するだけでも恐ろしい。
逆転裁判をクリアしたので逆転裁判2にうつりました。
ホントにゲームしかしてないなあ(笑)
マリオとかもやってみたんだけど、なんでだろうすぐ死にます。
すぐに死ぬのは年のせいなんでしょうか・・・挫折しそう。
またもや休日出勤された方がお見舞いに来てくださいました。
ありがとうございました!!

1月13日(退院)
ついに退院する日が来ました。
しかし恐ろしい抜糸が私を待ってます・・・!!!
診察して、その数時間後にやるのかと思いきや
診察で呼ばれたら先生が「さ、抜糸しよっか」とにこやかに近づいてきましたよ!
私は気持ちがすぐに顔に出るタイプだからかと思いますけど
「大丈夫、痛くないから」とまたもやスマイルで!!!
ハサミとピンセットを両手に持ちながら先生が近づいてきました・・・そして
「・・・ちょっと痛いよ・・・?」
ど、どっちですか!!痛いのか痛くないのかどっちなんだ!
もう一番の恐怖でしたね・・・
顔のそばで糸をパッチンパッチンと切る音がするのですよ。
見えそうで見えないのがさらに恐怖となりました(笑)
いやー、痛かったです。やはり抜糸が一番痛い。
3分ほど恐怖の抜糸をした後に傷がキレイになるテープをペタペタとはられていきました。
先生はなんども「うん、お嫁にいける!」と連呼してました。
看護婦さんも「凄いキレイに縫えてるって聞いたんだけど」と見に来るし(笑)
この時はテープが貼ってあったから見えませんでしたが、本当にキレイに縫って頂けました。
先生には大感謝です。本当にありがとうございました!!
お昼過ぎに親が迎えに来て無事退院。
看護婦さんたちは会議中っぽかったのであまりご挨拶できず申し訳ないまま
退院してきてしまいました。コレが一番の心残り。
何日かぶりの外の空気は冷たかったです。冬だしな(笑)
お昼ごはんを食べてから家に帰りました。金曜日までは自宅療養です。


なんというか、もう健康って一番だなあと思いました。
自分がまさかこの年で腫瘍の手術するなんて思ってもいなかったので・・・
どうして腫瘍ができたかわかりませんが、
大きい病院でも月に1回あるかないかぐらいの手術なようです。
なんだろ?って思ったらやっぱ病院行かないとダメね・・・
今回放置してたら今頃どうなってたんだろうって思うと怖いぐらい。
傷口周辺はまだ感覚が戻ってないけど、顔面麻痺は免れたし。
良い先生に出会えて良かった・・・!!
お見舞いに来てくださった皆様本当にありがとうございました!!!!